メダル期待のジャンプ男子団体。5強の戦力を分析する

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi photo by Getty Images

 今シーズン、W杯で好調な男子ジャンプ日本チームのなかでも、1月のバートミッテルンドルフ(オーストリア)で41歳7カ月のW杯史上最年長優勝を果たした葛西紀明が、ソチでの金メダル争いの一角に食い込んできたといえる。

 続く1月の札幌大会はこれまで優勝したことがない葛西にとっては「鬼門」で、今回も勝利に見放されたものの、「この悔しさをバネに五輪は絶好調で迎える」と金メダル獲得への意欲を口にした。

W杯史上最年長優勝を飾り、好調をキープしている葛西紀明W杯史上最年長優勝を飾り、好調をキープしている葛西紀明 W杯個人総合ランク4位の葛西に続くのは、W杯前半戦好調だった竹内拓(13位)だ。竹内は、年明けに肺炎で入院をしていたが、順調に回復しており、筋力を取り戻してくればメダルに手が届く位置にいる。さらに、伊東大貴(16位)もメダル圏内に入る力を持っている。

 現在の世界の勢力図を考えると、日本選手を含めた上位20名は誰が優勝してもおかしくない状況。今シーズンのW杯22戦で、表彰台経験者は実に22名にものぼっている。その中で、これまでの実績を考えると、以下の選手たちがメダル候補として有力だろう。

 今季のW杯総合ランキング2位のカミル・ストッホ(ポーランド)は、昨年2月の世界選手権ラージヒルのチャンピオンであり安定感は抜群。W杯最多勝利記録を「52」まで伸ばしているグレゴア・シュリーレンツァウワー(オーストリア/3位)や、一昨シーズンのW杯総合優勝者で昨季も2位のアンダース・バーダル(ノルウェー/6位)も金メダルを狙える実力者だ。

 また、年末年始のW杯の「ジャンプ週間」(ドイツとオーストリアで4試合が集中開催される大会の総称)では、これまでノーマークだった21歳のトーマス・ダイトハート(オーストリア/9位)が、4試合中2勝をあげて、ソチ五輪のメダル候補に名乗りをあげた。

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