髙梨沙羅、ソチ五輪ジャンプ台への対策に自信

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 今季はソチ五輪で使用するジャンプ台と同じような、R(台の曲線)で重力を感じにくい1月4日のチャイコフスキー大会(ロシア)で、氷点下20度という寒さもあって助走の感覚を少し狂わせていた。

 助走路を氷で固めるクーリングシステムが設置されたばかりの宮の森だったが、初日の練習からいい時の感覚を取り戻していた。本人も「去年の世界選手権では失敗したので、同じ失敗を繰り返さないように心がけている」と話し、今年は助走時のRで感じる重力の変化についても、以前より感覚が研ぎ澄まされているという。

「昨シーズンのソチの試合(2012年12月)は2位と3位で、高梨も『踏み切りのタイミングがとりにくい』と少し苦手意識を持ったようだが、昨年10月のロシア選手権で優勝して慣れてきていると思う」と小川コーチは言う。

 このあと18、19日に行なわれるW杯蔵王大会は、改修されてソチと同じようなプロフィールになったジャンプ台で、練習が出来るという利点がある。続くW杯はスロベニアのリュブノ大会だが、その直後には昨季の世界選手権と同じプレダッツォでの世界ジュニアに出場する。さらにW杯のヒンゼンバッハ(オーストリア)は新設のジャンプ台でソチと同じようなプロフィールになっている。その点でも万全な準備は出来そうだ。

 札幌大会でも試合後のインタビューで「ソチ五輪へ向けて不安な部分はないか」という質問に「ないです」と言い切った高梨。ソチへ向けての視界は、大きく開けている。

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