2020東京パラリンピックの主役候補たちが、ステップ大会で躍動 (2ページ目)

  • 星野恭子●取材・文 text by Hoshino Kyoko
  • 越智貴雄●写真 photo by Ochi Takao

 ゴールボール女子の若杉遥(18歳)は、今大会解団式で自ら志願して壇上に立ち、選手団を前に真剣な表情で、「東京で絶対に金メダルを獲ります」と力強く宣言した。熱い思いの裏には、前日に喫した手痛い敗戦の悔しさがある。日本は決勝に進み、中国と対戦したが、序盤から終始リードを奪われ、10-2と大差で退けられた。日本の2点はエースでもある若杉が試合終盤に挙げ、一矢報いた格好になったが、「もっとできたはず」との思いが残ったのは間違いない。

 ゴールボール女子は昨年のロンドン・パラリンピックで悲願の金メダルを獲得した。日本チーム史上、団体種目初の金という快挙だった。若杉はその世界王者チームの一員で、レギュラーではなかったが若手のポイントゲッターとして世界最高峰の戦いも経験済みだ。今回のユース代表ではチーム最年少ながら、その経験と実力を買われキャプテンを任された。頂点に立つことの喜びを知っている分、今大会も金メダルを目指し、強いリーダーシップで若いチームを決勝まで率いてきたが、中国の高い壁に跳ね返された。

 若杉の目標は3年後のリオを経て、東京での3連覇だ。「20年東京は年齢的にも私が主力選手にいなければいけない大会。成長を信じてもっともっと努力したい」という若杉。投球スピードを上げ、駆け引きを学び、日本の絶対エースになる。その覚悟はできている。

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