【カーリング】女王・中部電力を撃破。北海道銀行は「世界」でも勝てるか (3ページ目)

  • 竹田聡一郎●文 text by Takeda Soichiro
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 そこで懸念されるのが、北海道銀行の海外経験の乏しさだ。ここ数年は、日本代表だった中部電力がすべての国際大会に出場してきた。海外遠征の機会や期間も、中部電力に比べると圧倒的に少なく、北海道銀行が日本代表として世界最終予選に挑むことを不安視する声は少なくない。ある関係者が言う。

「とにかく、(チームが)発展途上過ぎる。小笠原と船山以外は、世界での経験値が余りにも少ない。はたして、(ソチ五輪の)出場権を獲得できるのだろうか……」

 もちろんそれは、本人たちも十分に承知しているが、決してネガティブには捉えていない。世界経験は少ないものの、国内では数々の修羅場を経験し、それを乗り越えてきた自負がある。さらなる成長を求めて、来月にはカナダ遠征を実施する。同国内で開催されている各地の大会に出場し、11月には中国・上海で行なわれるパシフィックアジア選手権に挑む。そこでの経験が、発展途上のチームをさらに進化させるはずだ。

 小笠原が語る。

「こうして日本一になれたチームですから、まだまだ伸びると思っています。世界最終予選までに残された時間は少ないですが、これから臨む試合の一投一投に集中して、そこで多くの経験を積んでいきたい。そして、中部電力さんをはじめ、すべてのカーリング選手のために、ソチ五輪の出場権を私たちは獲得しなければならないと思っています」

 北海道銀行にとって、未体験の大一番となる世界最終予選は12月。そこに向けて、彼女たちはどれだけいい準備ができるのか。しっかりと見守りたい。

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