五輪招致成功の要因は何だったのか?東京圧勝の舞台裏 (3ページ目)
結果、マドリードが強い中南米の票(12票)のほとんどが東京に回ってきたようだ。スペインの3人のIOC委員の票も東京がもらうことになっていた。加えて、招致レース終盤のイスタンブールのなりふり構わないロビイングが反感を招いた可能性もある。
東京開催決定後、田中理恵さん(写真右)と談笑する滝川クリステルさん(左) さらに、東京は最終プレゼンの出来がよかった。高円宮妃久子さまの感謝のスピーチから、被災地(気仙沼市)出身でパラリンピアンの佐藤真選手の情感あふれるプレゼン、安倍晋三首相による「汚染水問題」の不安の払しょく......。これらがIOC委員の心に伝わったようだ。
ロビイングの中心人物は言う。
「敵失もあったけれど、東京の汚染水問題の打ち消し方がよかった。ソチ五輪とリオデジャネイロ五輪の準備が遅れていることも、確実な運営能力を誇る東京にプラスに働いた。世界各地からまんべんなく票を獲ることができたことが大きい。東京の本気度が勝った」
そういえば、開催地決定の夜の東京祝勝会にはIAAFのディアックIOC委員のにこやかな笑顔もあった。IOC委員と太いきずなを築いての「東京圧勝」だったのである。
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