2013.03.10

【月刊・白鵬】春になると思い出す、12年前の出来事

  • 武田葉月●文 text&photo by Takeda Hazuki

 新弟子の話題で言うと、宮城野部屋にも、初場所に初土俵を踏んだ力士がいます。うちの部屋の十両・大喜鵬と、高校、大学の同級生だった石浦です。

 小柄ながら筋肉質な体型で、鳥取城北高校時代は世界ジュニア相撲選手権の日本代表としても活躍しました。大学卒業後は、進路に迷っていたようですが、大喜鵬の活躍に刺激された部分もあったのでしょう、私の内弟子としての入門が決まりました。

 実は石浦の父親は、その名門・鳥取城北高校相撲部の監督を務めており、元大関の琴光喜関らを育てた人物でもあります。ゆえに、石浦の相撲に取り組む姿勢はとても真摯なものがあります。気持ちもしっかりしていて、稽古場で積極的に動き回る姿には好感が持てます。

 そうした出会いもあれば、別れもあります。人気者の高見盛関が、先場所限りで引退してしまったことです。あれほどキャラクターが立っていて、観客を沸かせる力士はなかなかいないので、本当に残念でなりません。地方巡業のときなどは、一緒に飲みに行く仲だっただけに、余計に寂しいです。

「ポスト・高見盛」ですか? 「大喜鵬」と言いたいところですが、まだまだ器ではないですね。春場所は十両に下がってしまいましたが、大量の塩まきで人気上昇中の旭日松あたりは面白い存在かもしれません。いずれにせよ、春場所では高見盛関に代わる、新たなスター候補の登場にも期待したいところです。

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