2013.01.14

【月刊・白鵬】2013年、横綱が気になっている「ふたりの力士」

  • 武田葉月●文 text&photo by Takeda Hazuki

 豪栄道は高校時代、全日本選手権で3位に入るなど、もともと非凡なものを持っている力士です。力が強く、勝負度胸もあります。そのうえ、向こうっ気が強く、やんちゃなところがいいですね。比較的おとなしいタイプの多い日本人若手力士の中では、ひと際光っている存在だと思います。

 力がありながら、これまで大関候補として浮上してこなかったのは、ムラッ気があったからです。それが最近では、「大関」という目標ができたことで、ひと皮むけたというか、覚醒した感があります。

 高校時代(埼玉栄高)の同級生、妙義龍が同じ部屋にいるのが、大きいのかもしれません。大学に進んだ妙義龍は、豪栄道より4年遅れで入門してきましたが、今や西前頭1枚目で豪栄道とほぼ肩を並べる地位にきています。そんな妙義龍の存在と活躍ぶりが、豪栄道にいい影響を与えているのでしょう。稽古もよくやっているようだし、上に上がってきてほしい力士のひとりです。

 そしてもうひとり、気になる存在がいます。稀勢の里です。解説者の方をはじめ、いろいろな分野の人たちが「日本人横綱の誕生を期待する」と言い続け、その可能性を稀勢の里には大いに感じていたのですが、その夢は結局昨年も果たせませんでした。

 私はこれまで、何度も稀勢の里について触れて、ハッパをかけてきました。決して横綱になる力がないわけではありません。ただ“何か”が足りないのです。その“何か”に気づけるかどうかは自分次第。こればかりは他人がどうこうすることはできません。何とかそのきっかけだけでもつかんで、豪栄道のように相撲に目覚めてほしいものです。そして今年こそ、多くの方が待ち望んでいる、夢を実現させてほしいと思います。

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