2012.10.20

【月刊・白鵬】日馬富士の横綱昇進が、自分の心に変化をもたらした

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

 それはさておき、この秋巡業に日馬富士が新横綱として参加したことで、私の心に変化が起きました。それは、いい意味で張り合う気持ちが持てるようになったことです。

 実際、群馬県藤岡市の巡業のときは、朝、支度部屋に入ってから、日馬富士と私はほぼ同じペースで土俵に上がる準備が進んでいたんです。それで、お互いに目と目が合って、「じゃあ、(土俵へ稽古しに)行くか!」という感じで土俵に向かいました。その日の稽古は、久しぶりに燃えましたね。

 その一方で、大関陣の不甲斐なさが目立ちました。秋場所では3人の休場者が出て、休場明けの力士が大事を取るのはわからないわけではありませんが、若い稀勢の里まで足の負傷で途中離脱。「日馬富士に続いて、横綱になってやろう」という気迫がどうも感じられないんですよ……。

 何はともあれ、日馬富士に対しては、私から具体的にアドバイスすることなどありません。この秋巡業を経験することで、日馬富士は横綱としての責任を自覚していくことでしょうし、これからは同じ横綱として相撲界を引っ張っていくという、その思いだけです。そうした状況の中で、私は「先輩・横綱」としてのプライドを持って、一層相撲道に励んでいきたいと思っています。

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