2012.06.18

【インタビュー】美しきヒロインの素顔~猪俣紗奈子(アルティメット)

  • 脊山麻理子●インタビュー interview by Seyama Mariko
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

脊山 大学生活はアルティメット中心でしたか?

猪俣 週に3、4回練習があって、平日には朝練もあるのですが、当初は勉強も一生懸命がんばろうと思っていました。でもだんだんと、アルティメットのほうが楽しくなってしまって……。というよりも、みんなでワイワイとやっているサークル活動がすごく楽しくて、結局アルティメット一色の4年間になってしまいました(笑)。

脊山 そのまま、社会人になっても続けています。

猪俣 今はもう、大学のサークルで一緒にやっていた女子のメンバーはみんな(アルティメットを)辞めていますし、私も社会人になって続けるとは思っていませんでした。ですが、ちょうど大学4年生(2007年)の春に、4年に一度開催される世界大会(2008年/バンクーバー)の日本代表セレクションがあって、チームメイトと一緒に「勉強のつもりで行ってみようか」と言って参加したところ、その秋、代表候補メンバーに。世界大会は翌年の夏でしたから、社会人になっても本格的にやらなければいけないと思って、今所属しているクラブチーム『HUCK』に入りました。

脊山 ということは、会社に入社して1年目に世界大会があったわけですね。

猪俣 はい。新入社員がいきなり休みをもらうなんて、普通では考えられないですよね。だから、世界大会に行けるのかどうか心配していたのですが、うちの会社は運動部が盛んで、最初の配属先の上司もスポーツに対する理解がすごくあって、「(会社を)休んで行って来い!」と言ってくれたんです。会社としても快く送り出してくれて、とてもありがたかったです。

4年前の自分は「甘かった」
チームにも貢献できなかった

「走力には自信がある」という猪俣選手。素早い動きで味方からのパスを華麗にキャッチする。脊山 初めて参加した世界大会はいかがでしたか?

猪俣 とてもいい経験になりました。肉体的にも精神的にも辛かったですが(笑)。

脊山
 それは、どうしてですか?

猪俣 まず、世界大会に臨むまでが大変でした。社会人1年目でまだ仕事にも慣れずにバタバタしている中で、休む暇なく週末にはアルティメット代表の練習に参加。代表でも年齢がいちばん下のほうでしたから、常に緊張した状態で、1週間ずっと気を張った生活が続いていて……。また、大学時代、サークル活動としてアルティメットをしていた私にとっては、(日本代表は)今まで足を踏み入れたことのなかった厳しい世界でした。

脊山 そんな状況でよく挫折せずに済みましたね。

猪俣
 クラブチームの先輩に相談に乗ってもらうことも度々ありました。その際に「一緒にがんばろう!」といつも励ましてくれて、それがすごくうれしかったというか、そういうふうに言ってもらえているのだから、「とにかくがんばらなきゃ」と思いました。