【カーリング】激戦の日本選手権。新旧「カー娘」対決を制すのは? (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●文 text by Takeda Soichiro
  • 梁川 剛●写真 photo by Yanagawa Go

 昨年初出場で快進撃を見せた本橋麻里擁するLS北見も、昨秋アメリカ遠征を実施。欧州の強豪チームを相手に武者修行を積んで、地力強化を図ってきた。昨年の大会で「ハマったらもっとも強さを発揮するチーム」と、対戦した各チームの選手が驚愕した攻撃的なカーリングはさらに磨きがかかり、結成2年目での頂点奪取を虎視眈々(こしたんたん)と狙っている。

 そして、今大会の台風の目と言える存在が、北海道銀行。初陣ながら優勝候補に挙げられるのは、2002年ソルトレイク、2006年トリノの両五輪で、日本代表として活躍した小笠原(旧姓・小野寺)歩と船山(旧姓・林)弓枝が、ともに現役復帰を宣言して結成したチームだからだ。その実力は折り紙つきで、ファーストシーズンの今季も、ブランクを感じさせない強さを発揮。1月に開催された北海道選手権では、LS北見など強豪相手に無傷の5連勝と、見事なカムバックを果たした。

 今では、本橋や中部電力の市川美余らがカーリング界の看板娘として脚光を浴びているが、小笠原と船山こそが元祖「カー娘」。そんなふたりが6大会ぶりに日本選手権の舞台に戻ってくることで、新旧「カー娘」対決が実現。大会前から大いに注目を集めている。

 大会の中心は、まさしくこの「4強」だろう。「とはいえ、圧倒的本命は不在。もっとも調子のいいチーム、予選ラウンドからアイスを早く読み切ったチームに、大きなアドバンテージが出るだろう」と協会関係者は語る。史上稀(まれ)に見る混戦で、どこが頂点に立っても不思議はない。

 優勝したチームは来季、日本代表としてPCC2012に挑む。ここで2位以内に入れなければ、2014年ソチ五輪への道が絶たれる重要な大会だ。それだけに、どのチームが勝つにしても、五輪での可能性を感じさせてくれるような、内容の濃い6日間になることを期待したい。

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