宇野昌磨、友野一希、佐藤駿らはGPファイナル進出なるか。男子フィギュアの大混戦はNHK杯が大きなカギ (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Getty Images

戦いはNHK杯でほぼ決まる

 GPファイナル進出争いは、これまでの大会で3位以内に入っている選手が6人も出場するNHK杯でほぼ決まるといっていい。

 一歩抜け出しているのは、スケートアメリカ優勝の宇野と、フランス大会を268.98点で制しているアダム・シャオ イム ファ(フランス)だ。

 ふたりは3位以上になれば26ポイントを超え、進出争いから一歩抜け出せる状況。もし4位でも、宇野は合計248.89点以上を出せばグラスルの上位に立ち、シャオ イム ファは253.06点以上なら2試合の合計得点でグラスルを上回る。

 前大会の実績を見ればそれ以上の得点を獲得する可能性の高いふたりが、その条件をクリアした場合、他の4選手の条件は厳しくなる。フランス大会2位の山本草太(中京大)は2位以上、スケートアメリカ3位のチャ・ジュンファン(韓国)とスケートカナダ3位のマッテオ・リッツォ(イタリア)、フランス大会3位の友野一希(上野芝スケートクラブ)はともに優勝するのが第一条件になるからだ。

 マリニンがフィンランド大会で優勝すると仮定した場合、NHK杯でチャとリッツォ、友野のなかから優勝者が出て、2位が山本、そして宇野とシャオ イム ファが4位以上という結果になれば、その6人がグラスルを上回ってファイナル進出者はほぼ確定する。

 だが、宇野とシャオ イム ファ以外が条件をクリアできず、山本が3位、他の3人のうちいずれかが2位となって24ポイントで並べば、あとはフィンランド大会で2位になる可能性のある佐藤も含めた、2試合のポイント合計の比較になってくる。

 その場合に有利になってくるのは、スケートアメリカで264.05点を出しているチャで、それに続くのがフランス大会で257.90点を出している山本だ。だが、昨季までの自己ベストを見れば、チャが282.38点、友野が269.37点で続き、佐藤は264.99点、リゾは260.53点、山本は257.90点となっていて予断は許されない。

 フランス大会の記者会見後、友野はNHK杯について「めちゃくちゃ大変。宇野くんもチャも出てくるし」と思わず漏らしていたが、GPファイナルを狙う選手たちにとっては熾烈な大混戦だ。

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