樋口新葉は「明るく楽しく前向きに」。新SPを披露し「強い女性を表現したい」 (3ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao / Dreams on Ice 2022

 そして樋口の場合、自らの足で立った舞台で大きくなるタイプなのだろう。

「(最後の五輪の気持ちで挑むと言ったが)毎日いろんな経験ができて、すごく楽しい人生のなかの3週間でした」

 樋口は五輪を戦ったことで、より野心的になった。

「多くの人が経験できないことをさせてもらいました。そのなかで、当初は『メダルを考えず、自分が納得できる演技を』と思っていましたが、いろんな競技の人たちの刺激も受け、『頑張ってメダルを獲りたい!』って思うようになりました。なので、4年後にできることを増やし、強くなってこの舞台でもう一度滑りたいと思います」

 五輪での経験によって、彼女は"ステージを上げた"のだろう。それは、簡単なことではない。大舞台にひるみ、自信をなくし、もしくは満足してしまい"燃え尽きる"ケースも少なくないのだ。

「明るく楽しく前向きに滑れたら」

 彼女は言う。自分なりのペースがあるのだろう。最近はドライブが気分転換になっている。免許を取得して1年半、ハンドルを握るのが楽しくなってきたという。

「今シーズンも全日本で表彰台に上がって、優勝するのが目標で。(来年3月の)世界選手権の代表に選ばれるように頑張っていきたいです」

 樋口はよく通る声で、そう宣言した。

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