坂本花織が明かす五輪銅メダルから世界選手権金メダルの舞台裏。試合前に涙を流した理由

  • 山本夢子●取材・文 text by Yamaoto Yumeko
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 五輪銅メダル、世界選手権金メダルという輝かしい成績でシーズンを終えた坂本花織。彼女に会いに行くと、そこには以前と変わらない笑顔が待っていた。練習と試合を重ねて手にした自信。プログラムへの思い。長く濃密なシーズンを終えた、今の気持ちを聞いてきた。

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――今季は武器を磨いて、五輪と世界選手権で2つのメダルを手にしました。坂本選手にとって今季はどんなシーズンとなりましたか。

 五輪の大事な年で、最初から調子を上げたかったけれどなかなか上がらず......。最初は「どうなるんだろう」と先が見えなかったんですけど、試合が多かったのでそれをこなしていくうちに自分の感覚もよくなり、調子も上がってきました。最終的には五輪でも世界選手権でもメダルが取れたので、頑張ってよかったなと思っています。

――2回目の五輪はいかがでしたか。

 2回目だったので、(北京での)日々を安心して過ごせました。1回目(の平昌五輪)は至るところに五輪のマークがあったので「あぁ〜、オリンピック〜!」と思っていたんですけど(笑)、今回はそこまで気にならなかったし、調子もあまり崩すことなく、いつも通り過ごせたなと思います。

――今回は団体戦でメダルが期待されていましたね。

 最初からそれを言われていましたね。団体では女子のフリーが一番最後で、(そこで順位が決まるので)「あ〜、マジか〜」って(笑)。足引っ張れないなと思って、すごく緊張しました。

――そして個人戦でも銅メダルを獲得。グリーンルームでの号泣はもらい泣きしました。

 メダルが決まった瞬間はあまり状況を把握していなかったんですけど、全選手の最終順位一覧を見た時にやっと気づいて......。「こんな日が来るとは」みたいな感じで感極まってしまいました(笑)。

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