宇野昌磨、全日本フィギュア2位で2度目の五輪出場決定も「足りないものを実感。今はすぐにでも練習したい」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

「(宇野)昌磨の(スケートに対する)姿勢を目の当たりにして、"彼ならできる"と思っていた」

 ランビエールコーチはそう述懐している。

「(宇野)昌磨は、すばらしいモチベーションでトレーニングを重ねてきた。かなりハードなメニューをこなすことで、どんどんよくなっていった。大会直前に不運なケガをしたことはあったが、レギュラーな練習を積み重ねてきたアドバンテージが、(今回の)演技に出た」

 もっとも、逆境だったことは疑いの余地がない。後半の演技は、やや乱れた。4回転トーループは転倒し、続く4回転トーループもコンビネーションをつけられず、単独でリピートになってしまった。最後のトリプルアクセル+オイラー+3回転フリップでは16.32点をたたき出したが......。

「思っていたより、自分のジャンプの状態が戻りきっていなくて」

 宇野は、自らの演技をそう分析した。

「(ジャンプを)一個失敗したら、流れるように(雪崩を打つように)失敗しそうな不安もあって。それでも1週間前まで、ずっと練習をしてきた自分がちゃんとそこにあったからこそ、失敗を(最低限に)抑えられたのかなと思います」

 最後はすべてレベル4のスピンを決め、曲を盛り上げている。演技後の表情は、達成感と悔しさが入り混じった。スコアは193.94点で、フリーでは3位。総合では、SPと合わせて295.82点で2位だった。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る