宇野昌磨、全日本フィギュア2位で2度目の五輪出場決定も「足りないものを実感。今はすぐにでも練習したい」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

演技後半が乱れたが、総合2位で五輪出場権を獲得した演技後半が乱れたが、総合2位で五輪出場権を獲得したこの記事に関連する写真を見る【逆境を跳ね除ける練習の積み重ね】

 12月26日、さいたま。全日本のフリースケーティング、宇野はショートプログラム(SP)2位で臨んでいる。3位の鍵山優真が高得点をたたき出し、首位におどり出て騒然とした空気が残っていたが、その表情は変わらなかった。深い呼吸で集中しているようで、目は澄んでいた。

 スタートポジションで左手を胸にやると、会場に『ボレロ』が鳴り出す。冒頭、4回転ループを鮮やかな手並みで着氷した。会場では、一斉に拍手が巻き起こった。

「6分間練習の最後のループで足をひねってしまって」

 宇野は試合後にそう振り返っている。

「(演技直前に)氷上に乗った時に痛みがあったので、ステファンにも言ったんですけど、『大丈夫』と言われて。僕も痛みがやめる理由、失敗していい理由になるわけではないから、どうしたら跳べるかだけを考えて、今まで足が痛いなか練習してきた時にどう乗りきったのか、を考えて。すごく冷静に滑ることができたのかなと思います」

 事実、演技前半の宇野はことごとくジャンプを決めた。4回転サルコウ、4回転フリップ、そしてトリプルアクセル。高難度の技でGOE(出来ばえ点)を稼ぎ出し、高得点の予感があった。

 SPを前に右足首をひねって、万全ではなかったはずなのだ。

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