羽生結弦「腹をくくってここまで来ました」。全日本公式練習で4回転アクセルを着氷、他のジャンプも驚くべき進化を見せた (3ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【驚くべきジャンプの進化】

 右足首の故障は、エッジを研磨したばかりの靴で練習中に普通なら抜けるはずが氷に絡まったために起きたアクシデントだったという。できる治療に努めたと言うとおり、不安を感じさせない状態に戻していた。さらにトリプルアクセルはこれまでより回転のスピード感が増して力も入れないで簡単に跳んでいるように見えた。4回転サルコウと4回転トーループもここまで軽々と跳べるのかと思ってしまうほど、何の無理もなく跳んでいた。

 昨季のオフは、4回転アクセルに挑むことでさまざまな影響が出て、他のジャンプが跳べなくなった時期もあったと話していた。だが、この公式練習で感じさせたのは、4回転アクセルの完成が近づいたなかで、他のジャンプもさらに進化してきているのではないかということだ。4回転アクセルの可能性とともに、他のジャンプの進化にも驚く公式練習だった。

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