北京五輪へ女子フィギュアのし烈な代表争い。紀平梨花、坂本花織ら有力選手の現状と課題 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

 体力的に厳しいと思われた翌週のイタリア杯では、ノーミスの演技をそろえて自己最高の214.95点で4位と健闘した。ただ、体調不良による長期休養明けでまだ万全ではなく、滑り全体に力感が出ていない面も。ハードなトレーニングができるようになってきているというだけに、全日本までに体力面を改善できれば、得点の上積みは可能だ。

 樋口新葉(明治大/ノエビア)は、得点はスケートカナダの205.27点が最高と苦しんでいるが、第5戦のフランス杯の3位は204.91点という得点以上にその先が見える結果だった。

 この2大会の間の11月中旬のチャレンジャーシリーズ・オーストリア大会に出場した樋口は、SPにトリプルアクセルを入れた構成にチャレンジし、ノーミスの滑りで79.73点を獲得していた。

「その後の練習でもミスをしていないので、すごく自信を持って臨んだ」というフランス杯でもSPはトリプルアクセルを入れたが、パンクで1回転になり、次の連続ジャンプはセカンドが4分の1回転不足、最後のフリップは「不明瞭なエッジ」と判定されるミスが続き、63.87点で6位発進となった。

 スケートカナダとオーストリア大会ではミスを連発していたフリーは、最初のトリプルアクセルと後半の連続ジャンプのセカンドで4分の1回転不足となり、3回転フリップはエッジエラーと判定されたものの、予定していたジャンプはすべて着氷する滑りをし、自己最高の141.04点を獲得。

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