カミラ・ワリエワ、「ベストではない」演技で世界最高得点。女子フィギュアはロシア勢の台頭で「国際大会のほうが難しくない」 (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Getty Images

 トゥクタミシェワはいみじくも語っているが、圧倒的な選手層の分厚さと言える。

 その中心におどり出たのが、ワールドレコード更新の天才ワリエワかーー。

 11月26日、ソチ。ワリエワはロシア杯SPで、完全無欠の演技を見せている。

 例えば、すべてのジャンプが「タノ」と言われる両手上げだった。本人は得意にしているようだが、冒頭の大技トリプルアクセルまできれいな空中姿勢のタノジャンプ。跳ね上げたフリーレッグの高さも目立ち、凛とした姿勢は美しさが際立った。3回転ルッツ+3回転トーループの連続ジャンプも軸がぶれず、出来ばえ点(GOE)も含めて13.05点も獲得していた。

 ジャンプだけでなく、スピン、ステップもレベル4。リンクに上がると15歳とは思えない勝負魂で、腰が据わっていた。表現力の点でも、流れが軽やかでよどみがなかった。

「今日は自分のスケートに満足しています。いつもは"もっとできる"というのがあるのですが、滑ることを楽しめて、ほぼ最大限を出せました。もちろん、まだ成長の余地はあって、コンビネーションジャンプのところはそれほどよくなかったですし」

 演技後、ワリエワは振り返っているが、その目標値の高さに"女王感"も漂い始めている。

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