宮原知子が語る五輪シーズンへの思い。「自分を信じられなかった」時期を乗り越え、「緊張とうまくつき合えるようになった」 (3ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Getty Images

ーー色にたとえると、どんな緊張なのでしょう? 

宮原
 ここ2シーズン、調子は悪くなかったんですけど、本番でできなくなるという気持ちの面で調子が悪くて。自分のイメージは青黒い緊張で、暗い色でしたね。今シーズンは、気持ちの面で切り替えができてきたというか、前向きに楽しくやればいいんじゃないかなって緊張とうまくつき合えるようになってきました。なので、黄緑くらいにはなっています(笑)。

ーー昨年の全日本選手権では、フリーの『トスカ』で逆転での表彰台に上がりました。今季も昨季からの継続で仕上がりもよく、GPシリーズでも世界で喝采を浴び、「スケート人生の集大成」とも言えるプログラムに出会ったように見えます。

宮原 このプログラムを作り始めた時、すごく気に入った感触があったし、"オリンピックで滑りたいな"っていう気持ちが出てきて。それに加えて、昨年は2試合しかなかったので、滑り込む大切さも感じて。今まではフリーは1シーズンでずっと変えてきたんですが、あらためて試合数をこなす大事さも経験しています。ただ「集大成」って言われると、少し大げさっていうか、いつスケートをやめるかまだわかっていないので、言いきれないところはあるんですけど(苦笑)。オリンピックという区切りを考えた時に、平昌からの4年間をひとまとめというか、自分を表したプログラムになればいいなって思っています。

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