坂本花織が吐露した「大人の女性になりきれない」もどかしさ。大会優勝も「ボロボロでした......」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 坂本 清●写真 photo by Sakamoto Kiyoshi

「ブノワ(・リショー)先生とせっかくブラッシュアップを重ねてきたので、なんなのそのステップは、と怒られそうで。でも連戦を通して見つかる課題があるはずで、できる範囲で次までに修正し、そのミスを(11月の)NHK杯までにはしっかり直せるように。ショートも、フリーも縛りから解放されるイメージで、自由になれるうれしさ、喜びを表現したいです。フリーはまだ練習不足ですが」

 彼女はそう話していたが、フリーは冒頭に記したとおり思うようにならなかった。3回転フリップで着氷が乱れ、得意のダブルアクセルはシングル。2つのスピンで回転が足りず、ベースポジションも取れず、レベルは1で、しかも演技時間オーバーだった。

「これ以上ないくらいにボロボロでした。まだ練習をしきれていないので難しいですね。完璧にやりこまないといけないんですが。(プログラムの)ストーリー的には難しいところもあって。理解しきれず、やり込めていないのが、(不振の)一番の原因で」

 坂本は言う。今は試行錯誤だ。

「フリーの曲は難しいところで。今までは映画曲だったり、物語があって、それに乗っかって表現できていました。今回はメッセージ性が強いのでそれをどう伝えられるか、今までにないパターンで」

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