ロシア女子、国別対抗戦でも異次元の強さ。「4回転は普通のこと」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 高橋 学●写真 photo by Takahashi Manabu

 3月の世界選手権、トゥクタミシェワはシェルバコワに次ぐ2位になった。2015年の世界選手権で優勝して以来、6年ぶりの表彰台。次々に若手が台頭し、不振に苦しんだ年月を考えれば、喜びはひとしおだっただろう。

 新旧の世界女王を中心にしたロシア。国別対抗戦の優勝は必然だったかもしれない----。

「心身が解き放たれるような演技ができました」

 ショートプログラム(SP)後のリモート会見。トゥクタミシェワは落ち着いた様子で語った。ビリー・アイリッシュ&カリードが歌い上げる『Lovely』。孤独感の中で苦しむ切なさを、黒いシースルーの衣装でしめやかに美しく表現した。

エリザベータ・トゥクタミシェワは背中に「愛」の文字が入った衣装で臨んだエリザベータ・トゥクタミシェワは背中に「愛」の文字が入った衣装で臨んだ トリプルアクセル、腕上げの3回転ルッツ+3回転トーループ、そして3回転フリップと完璧に成功。最後は観客の熱気に感極まっていた。

「まぶしく輝かしい演技になるように」

 彼女はその目標を達成したと言える。

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