坂本花織、納得の2位。「攻めまくりたい」五輪シーズンは4回転に意欲 (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 高橋 学●写真 photo by Takahashi Manabu

SPの坂本。課題だった3回転ルッツをきれいに決めたSPの坂本。課題だった3回転ルッツをきれいに決めた 本番でも同様の滑りを披露し、演技構成点で世界選手権に比べて1.60点高い35.84点。得点は2位のトゥクタミシェワより1.92点高い、シェルバコワに次ぐ全体2位の得点。つなぎの滑りやスピン、ステップにも気を遣い、表現の向上に取り組んだ今季の成果だ。

 17日のフリーでは、疲労感の強い中での演技になった。

「正直、現地入りしてから日を重ねるにつれて疲労がどんどん溜まってきて、今朝(17日)の公式練習もすごくきつかったんです」

 それでも2シーズン続けた『マトリックス』は今回が最後の演技。坂本は「最後だから笑顔で終わりたいと思って、きついとかじゃなくて本能のまま演じました」と笑顔を見せる。

 その演技は、3回転ルッツがノットクリアエッジ(明確でない踏み切り)と判定されてGOE加点1.06点にとどまり、3回転サルコウは4分の1の回転不足で0.09点の減点。しかし、それ以外はノーミスの滑りで、自信を持つ終盤のコレオシークエンスは勢いと迫力が増し、3回転ループも流れを崩さないきれいなジャンプにすると、最後のコンビネーションスピンは、スピードに乗った回転にして締めくくった。

 得点はSPに続き、2年前の国別対抗戦で出した得点を3.59点上回る150.29点の自己最高をマークし、2位。トゥクタミシェワを上回ったことを知ると、坂本は「えっ!」と驚いていた。合計もトゥクタミシェワを1.49点上回る自己最高の228.07点と、納得の結果となった。

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