宇野昌磨、大技失敗の無念を胸に刻む。「成長できる幅がある」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 高橋 学●写真 photo by Takahashi Manabu

 宇野はそう言って、自らを責めた。うつむくことで、伸びた前髪が目にかかった。

「プログラムを通した練習(が足りない)ですね。単発のジャンプは着々と自分の中で納得できるものになってきているんですが。世界選手権が終わってから、プログラムの練習をできていなくて」

 翌日のフリーで、宇野は3A+4Tの成功にかけていたはずだ。

 2シーズン使用してきた『Dancing On My Own』、冒頭で果敢に挑んでいる。目に光が満ち、風を切って、思いを込めるように跳び上がってアクセルは成功した。しかし続けざまのトーループは鋭く回転するも、着氷できなかった。

 その後は4回転フリップでGOE(出来ばえ点)で加点を叩き出すも、4回転トーループは転倒。3回転ループは完璧に成功も、トリプルアクセル+オイラー+3回転フリップは、最後が1回転になった。3回転サルコウ+3回転トーループ、ダブルアクセルと華麗に成功したが、ラストは3回転ルッツを回避していた。

 164.96点で6位。コレオやスピンは彼らしさが見えたが、悔しさの残る結果だ。

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