羽生結弦、自身の「成長を感じる」。生き生きとした狙いどおりの演技 (3ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 高橋 学●写真 photo by Takahashi Manabu

 また、後半の鋭さと大きさのあるステップやスピンも、観客に対し一緒に楽しむことをアピール。羽生の生き生きとした気持ちが伝わってくる滑りだった。

 この日の男子SPの最高得点は最終滑走で109.65点を出したネイサン・チェン(アメリカ)。予定していた連続ジャンプを冒頭の4回転フリップに付けず、基礎点の高い後半の4回転トーループにつけて得点を上積みし、羽生を抑えた。

 技術点を見れば、羽生は連続ジャンプを後半にしたチェンより2.58点低いだけの59.27点。3Aをミスなく跳んで2点台のGOE加点を取っていれば、チェンを上回っていた計算になり、110点台に乗った可能性もあった。

 ノーミスではなかった惜しさが残る結果ではあったが、羽生が思う『レット・ミー・エンターテイン・ユー』の世界を、明確に感じさせる演技だった。

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