羽生結弦の最大の目標は「北京五輪ではなく、4回転アクセルの成功」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 田口有史●撮影 photo by Taguchi Yukihito

氷上に置いた花の傍らで舞う羽生氷上に置いた花の傍らで舞う羽生 羽生はテレビ放映で来シーズン(2021ー22)について、まだ誰も試合で成功させていない4回転アクセル(4回転半ジャンプ)を「最初の試合から入れていくつもりです」と明言した。

 そして、こうも話した。

「この世界選手権で完璧な演技で優勝できていたら、自分の中でかなり満足できていたと思います。たぶん、『やりきったな』と。でも、それをさせてもらえなかった。それでよかったんじゃないかとも感じます。

(フリーの)『天と地と』は、(昨年の)全日本選手権はアクセルなしで完成できているとも思うけれど、やっぱり、4回転アクセル込みのプログラムの完成形をちゃんと見せなきゃダメだ、と言われたような気がしました。まだそんなに(回数を)演じているプログラムではないので、まだまだできることはたくさんある。だから来シーズンが始まるまでにまずは4回転アクセルを成功させること。プログラムに入れたとしても他のジャンプを崩さず、プログラムとして完成させられるような練習を、常にしていかなければいけないということを考えています」

 4回転アクセルへの思いをエキシビション開始前のリモート取材でも熱く語っていた羽生。来年に迫った北京五輪をどう意識するかと言及されると、「僕にとっての最終目標は北京五輪ではなく、4回転アクセルを成功させることです」と答えて、続けた。

「僕が今、4回転アクセルを目指している状況の中に北京五輪という大会があれば、それは考えます。ただ、こういう状況下でもあるので、いろいろと世界の情勢を見ながら、また、自分の体などを考慮しながら考えていきたい。現役を辞める、辞めないではなく、4回転アクセルを決めないと、たぶん、一生満足できないとも思っています」

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