宮原知子、心と身体が「チグハグ」で自己ワースト。再起を誓った誕生日

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 田口有史●撮影 photo by Taguchi Yukihito

 厳しい結果になっただけに、敗因を探すのは自然の流れだろう。全日本選手権では、SPから挽回して不屈の演技で3位に入っているのだ。

「全日本も、"自信を持てた"と言えるほど完璧な演技ではなくて。ミスもあったし、"たまたまジャンプが降りられた"という状況だったのかもしれません。自分がちゃんと演技するようになるにはどうしたらいいのか。それを考える過程にいるんだと思います」

 あまりに謙虚に語る宮原は、とことん突き詰める性分なのだろう。その完璧主義が、静謐な演技を生み出してきた。

「(世界選手権まで)順調とは言えず、練習もトロントで落ち着いてできたわけではなくて、調子はそんなによくなくて」

 宮原はそう言って、丁寧に説明を続けた。

「ケガとまでは言えないのですが、右足に靴が当たって痛いところがあって。全日本の前からちょっとこじらせてしまい、全日本が終わってしばらく休んでいたんです。それでデトロイトに行って、少しトレーニングを始めた感じで......。ただ、今は痛いわけではないので、この試合(の結果)には関係ないのかなって思います」

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