2021.03.26

紀平梨花と火花を散らすロシア勢。16歳シェルバコワらの底知れぬ力

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 田口有史●撮影 photo by Taguchi Yukihito

 何より、24歳と円熟味を増した演技は、彼女だけのものだろう。黒いシースルーの衣装は、大人の色気がないと似合わない。

「コロナ禍で、どれだけ自分がフィギュアを愛しているか、それを再確認できました」

 トゥクタミシェワはそう言って、コロナ禍による心境の変化を語っている。

「滑れない期間は、何度も何度も(フィギュアを)恋しく思っていました。家の中にずっとこもっている間、人生について考える時間もあって。そう考えてみると、悪い時間でもあり、よい時間だったかなと思います。なぜなら、スケートができないことによって、いろいろと考える時間が生まれたので。(精神的に)成長することができたのかなって思います。この長い期間を経て練習を再開したとき、"もっと大きなパワーを出し、いい動きができるように、再びスケート人生を!"って、(復帰に向けて)ポジティブになることができました」

 フリーでは、2本のトリプルアクセルを武器に挑むことになるだろう。スケーターとして、艶やかな花をリンクで咲かせるはずだ。

ミスが目立ちSP12位となったアレクサンドラ・トゥルソワミスが目立ちSP12位となったアレクサンドラ・トゥルソワ  一方、アレクサンドラ・トゥルソワはシェルバコワと同世代の16歳で、4回転を武器に台頭してきた新星である。2019ー20シーズンにシニアデビューし、グランプリファイナルでは3位に入った。最新の世界ランキングでも4位だ。