小芝風花、フィギュアスケーターとして辛かった手術とたくさんの楽しい思い出 (3ページ目)

  • 山本夢子●取材・文 text by Yamamoto Yumeko
  • 立松尚積●写真 photo by Tatematsu Naozumi

ーー野辺山合宿(全国有望新人発掘合宿)にも参加されたそうですね。

小芝 
はい。当時は目立つことが苦手だったので、みんなで先生の後ろについてスケーティングするときは中間や後方にいました(笑)。

ーー辛い経験はどのようなことを思い出しますか?

小芝 オスグッド・シュラッター病(スポーツに取り組む成長期の子どもに発生しやすい膝の疾患)を経験しました。すっごく痛くて。お医者さんには「手術をすれば傷が残るし、成長期が終わればよくなるんだよ」とアドバイスしてもらったんですが、「私はいま練習がしたいんです!」と、両膝の手術を選択しました。

 滑れるようになるまで回復したらあまりにも脚が細くなっていたので、周囲からは「復帰できないかも」と思われていたみたいです。でも私はのんきだったので、「やっと練習できる〜!」というのと、「やった。足細くなった〜!」って(笑)。ブランクはありましたが、ジャンプを取り戻すのは早かったと思います。筋肉も戻ってきて、3回転ジャンプも安定して跳べるようになりました。

ーーその後、昨年引退した渡邊純也さんとアイスダンスにも挑戦されましたね。

小芝
 もともとふたりともシングルの選手なので、組んだ当初は歩幅や回転のクセもまったく違うので苦労しました。それでも徐々にフリーレッグ(滑走中やジャンプの着氷時に、氷から離れている足のこと)が綺麗になったし、スケーティングも変わってきました。そして、その変化は並行して続けていたシングルにも活かされていたと思います。私がスケートを辞めてしばらくしてから全日本選手権を見に行って彼の滑りを見たときにも、それを感じました。

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