2021.02.01

日本女子フィギュアの「伏兵」3人。五輪出場への狭き門に挑む

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 坂本 清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

 壁を突き破るため、各選手が試行錯誤を重ねている。

フリー演技の横井ゆは菜。総合3位に入った 国体で3位に入った横井ゆは菜(20歳)も、自身を深く見つめていた。

「今シーズンは自分のスケートの調子次第で、こんなにも自分のメンタルが左右されるんだ、ということを思い知らされました。ジャンプが少し良くなると、それだけで前向きになるし......。調子が良かろうが、悪かろうが、落ち着いて滑れるようにならないといけないと思っています。そのために、しっかりと練習を積んで」

 横井は早口で言う。練習の質と量に、行動規範があるのだろう。その分、視点は現実的だ。

「たまに、トリプルアクセルも練習はしています。でも、厳しいな、というのはわかっていて。『来季は入れます!』とは簡単に言えないですね。なので、トリプルアクセルなしで一番点数の高い構成を目指しています。例えば、基礎点の高い後半に(難易度の高い)ルッツを入れた3回転3回転(のコンビネーション)とか。現状は目指すところの第一段階で」

 横井はスケーターとして独自の色を持つ。おどけて周りを楽しませるキャラクターだが、発言は至って思索的。その点、端々に強情さもにじみ出るが、それは矜持にも結び付く。例えば昨年の全日本、ショートプログラム(SP)では16位と出遅れたものの、フリーは鬼気迫るような演技で6位と巻き返した。腹をくくった時、力を振り絞れるのだ。

「オリンピックよりも、日本のトップに追いつくために頑張っていきたい」

 横井は言う。彼女ならではの言い回しで、アプローチだ。