2021.02.01

坂本花織が高得点を出せるようになった理由。世界との戦いにも手応え

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 坂本清●写真 photo by Sakamoto Kiyoshi

愛知国体で優勝を飾った坂本花織、フリーの演技 今大会では序盤の得点源となる得意の3回転フリップ+3回転トーループの連続ジャンプでオーバーターンが入るミスが出て、GOE(出来栄え点)で減点となったが、その後のジャンプはすべてGOEで加点がついた。3つのスピンとステップでは最高のレベル4をそろって出した。フリーでも、ひとつのミスがあっても150点前後の得点を出せる底力を発揮。緊張を上手にコントロールして本番でのミスを最小限に抑える試合巧者ぶりも見せた。

 ジュニア時代はメンタルの弱さが目立ったが、シニアデビューシーズンとなった2017-2018シーズン、リショー氏の洗練された独特なプログラムが坂本の感性と滑りにぴったりはまって相乗効果が生まれ、自信を掴んだ。一気に成長を促された坂本は、勢いのまま2018年平昌五輪代表となり、初五輪で総合6位入賞を果たした。それ以降は、リショー氏とタッグを組んで記憶に残るプログラム作品を演じている。

「今回はSPもフリーもちょっとずつミスがあったので、そこを世界選手権までにしっかり修正して、今季最後の試合となるのでしっかり完成形の演技がしたいです。2年前は(総合)5位という成績で、フリーでノーミスができなかったので、2年ぶりの世界選手権でパーフェクトな演技ができたらいいなと思っています」
 
 初出場だった19年大会ではSP2位発進ながら、フリーで5位と失速して表彰台を逃した。その悔しさを晴らす格好の舞台となるだけに、気合いも入るに違いない。来季に控える北京五輪に向けてもいいスタートを切れるはずだ。

 新時代を迎えている女子は、4回転やトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)の大技を跳ぶ選手たちが次々と登場。メダル争いを繰り広げるためには大技の習得が必須の様相を呈している。20歳の坂本もその波に乗り遅れないようにしなければ、今後は勝負の舞台に立てなくなる可能性もあるかもしれない。

「今年は、年末にオリンピック代表が決まる大事な1年になると思うので、やっぱりミスはできないし、だけれど、挑戦しないといけない部分もあるので、うまく臨機応変に対応して、さらに上を目指せるようにしたいなと思っています」

 今季最終戦の世界選手権でどんな戦いができるか、楽しみだ。 

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