三原舞依の人柄がスケーティングを形作る。正念場で見せる渾身の演技 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 坂本 清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

 三原はステップもレベル4を獲得。終盤、さまざまな音が重なり合う中、スパイラルは物語のハイライトのようで、人を引き込む力を持っていた。舞台を演出する力は、傑出したものだ。

 フリーは131.18点で3位に入り、総合では194.42点で、僅差で4位だった。圧巻の演技を見せて1位に輝いた坂本と、兵庫の優勝に貢献した。

「優勝を(兵庫に)持って帰れるのはよかったです。花織ちゃんのおかげですけど。絶対やってくれると信じていましたが、私の順位がギリギリだったので、『ごめん』って、祈るような気持ちでした」

 三原は体を小さくし、遠慮がちに言った。言うまでもないが、ふたりで勝ち取った勲章だ。

「舞依ちゃんは、見たまんま真面目で。コツコツとやっているし、どんな日でも自分の気持ちに負けない練習をしていて。自分の刺激になっています」

 坂本は笑顔を作り、実感を込めて言った。

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