羽生結弦は攻める。世界最高得点を連発した集中力と精神力 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

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2015年GPファイナルSPで『バラード第1番』を滑る羽生2015年GPファイナルSPで『バラード第1番』を滑る羽生 それから中1週で臨んだGPファイナルで、羽生は歴代世界最高得点を再度更新した。これは、NHK杯の記録とはまた違う意味を持っていた。大会前1カ月間みっちり練習に打ち込むことができたNHK杯と違い、疲労が残る中での戦いだったからだ。

 スペイン・バルセロナで開かれたGPファイナルでの羽生の演技は、「すごい!」としか言いようのないものだった。公式練習では4回転トーループが決まり切らない状態で、6分間練習でもその不安を引きずっていたが、本番は関係なかった。

「意外と緊張していました。でも自分に緊張感があるということを認識していて、『そういう状態ではどうしたらいいんだろう』と考えながら滑れたと思います。ただ、ショートの演技に入る前は、会場のモニターを見て、『(演技に入るまでの)時間があと1秒しかない』と焦りましたけど......」

 SP冒頭、練習でも成功率が高かった4回転サルコウをパーフェクトに決めた羽生。次の4回転トーループ+3回転トーループの連続ジャンプはこの日一番と言えるきれいなジャンプ。この2種類のジャンプはともに、9人中8人のジャッジがGOE(出来栄え点)加点で満点の3点をつけた。

 それで気持ちが乗ったのか、羽生の演技は力強さと迫力に満ちあふれたものになっていった。スピードに乗って回転したスピンはすべて最高レベルの4。後半に入ってすぐのトリプルアクセルも難なく決めた。ステップも羽生自身は「レベル3だったのでそこが反省点」と振り返ったが、力強く踏み続けた。

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