坂本花織は「らしさ」を発揮。紀平梨花との差を冷静に分析している (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

「ジャンプを全部決めることに集中していたので、プログラムの他の演技はいつもよりセーブしてしまった部分があった」

 坂本はそう話すが、プログラム全体の出来としても演技構成点は優勝した紀平を1.61点上回る74.23点を獲得と、ジャッジの評価は高かった。

「ショートは(連続ジャンプが)3回転+3回転にならなかったので悔しかったけれど、フリーは何とか持ちこたえる演技ができた。去年の悔しい思いを晴らせたかなと思ってホッとしました」

 坂本は演技後の取材時、自分の後に滑る紀平の演技が気になるようで、話の合間にチラチラと近くにあるテレビ画面に目を向けていた。そして合計が234.24点だと知ると、「エグっ。すっごー!」と呆れたような笑い声をあげていた。

 その後の記者会見で、「NHK杯の229.51点を考えれば、紀平との得点差はそれほど離れていないのでは?」と問われると、複雑な表情をしてこう答えた。

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