三原舞依が求めるのは善戦ではない。2021年は大人の「アスリート」に

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

全日本フィギュアでフリー演技をする三原舞依全日本フィギュアでフリー演技をする三原舞依「まだまだ練習が足りないな、というので頭の中はいっぱいで。今は悔しさが一番です」

 12月27日、全日本選手権フリースケーティングが終わった後、リモート会見に出てきた三原舞依(シスメックス)は歯がゆそうに言った。ショートプログラム(SP)では69.55点で3位と好発進したものの、フリーは細かいミスが出て、滑りの輝きも本来の出来ではなく、134.10点で7位と低迷した。トータルで5位は大健闘と言えるが......。

「全体を通して、まだまだ弱さがたくさんあると思いました。もっと力強さを感じられる演技をしないと。見ていて迫力がない」

 そう切って捨てた三原は、誰よりも己に対して厳しかった。

 三原の2020年、全日本選手権とはーー。

 今年10月、三原は近畿選手権で約1年半ぶりに公式戦のリンクに立っている。難しい病気を患い、コンディションは戻っていなかった。

「筋肉がほとんどない状態で、限りある筋肉を使って(のスケート)になるんですが。(酷使する)一部の筋肉は疲れやすくなっていて。それを取り除けるように、ストレッチしたり、トレーナーさんにケアしてもらったりしています」

 三原はそう明かし、演技後は足がよろめくほどだった。

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