本田真凜、悪戦苦闘の今季。元世界ジュニア王者は輝きを取り戻せるか (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 田口有史●撮影 photo by Taguchi Yukihito

 昨年の夏のインタビューで訊ねた。

ーー理想のスケーティングがパズルのピースだとしたら、完成までどこまではまっていますか?

 本田は凛とした表情になって、こう答えていた。

「ちょっとずつ組み立ててあるのが、バラバラにいるって感じです。考えてスケートをすることが今までなかったので。小さい時の感覚で、なんでもできたのに、それがなくなって。普段の生活から、何でも考えて行動するようになりました。一つ一つの行動に対し、考えるようになって。おかげで少しはピースがそろってきているかな、と。粘り強く、頑張っていきたいです」

 悪戦苦闘なのかもしれない。しかし諦めず、挑み続けているのは間違いないだろう。違うピースをはめたなら、やり直すだけだ。

「不安や怖さを克服し、楽しんで滑れるように」

 本田は言う。苦難を切り抜けられるか。あるいは、その出口にいるのかもしれない。12月、自らの格闘で出場権を勝ち取った全日本選手権に挑む。

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