2020.12.01

樋口新葉は羽生結弦と同じ発想でトリプルアクセルに挑戦していた

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 田口有史●撮影 photo by Taguchi Yukihito

 また、3本目の3回転サルコウが2回転になると、後半も3回転フリップはノット・クリア・エッジを取られ、最後の3回転ルッツも2回転に。「(トリプルアクセルを)跳べても跳べなくても他のジャンプはしっかり決めたい」という目標を果たせなかった。演技構成点は66.88点を獲得したが、フリーの得点は4位の131.27点。総合2位にはなったが、東日本選手権を2.26点下回る合計200.98点で、優勝した坂本に28.53点差をつけられた。

 それでも樋口の表情は明るかった。

「試合の緊張感の中で(トリプルアクセルを)着氷できたのが次につながる。練習を頑張ってきてしっかり発揮できました。今回は2日連続で試合に入れるための調整をしてきましたが、ショートでは、フリーより練習量が少なかったのでアクセルを跳ぶときはちょっと不安もあった。でもすごくいい練習になったというか、全日本や来シーズンへ向けて、いい経験になったと思います。今回は最後まで集中してジャンプを跳ぶのがちょっと難しかった。全日本までに、(演技中に)疲れていてもタイミングがうまく合うように練習をして、アクセル以外のジャンプに響かないようにしていきたいです」

 攻めの姿勢で臨んだNHK杯でトリプルアクセルを着氷したことで、樋口はひとつの山を乗り越えたと言えるだろう。

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