NHK杯で樋口新葉ら日本勢は「キム・ヨナの後継者」を上回れるか? (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

今年2月の四大陸選手権で2位となった韓国のユ・ヨン今年2月の四大陸選手権で2位となった韓国のユ・ヨン 樋口はトリプルアクセルを9月のドリームオンアイスでは転倒。しかし、ジャパンオープンは片足で立ち、東日本選手権はオーバーターンと、少しずつ前進している。東日本では「練習での確率は上がっているが、曲がかかった中ではスピード感やコースが少し違っていると思う。もう少し修正して、試合でもいつものようなコースとスピードで跳べばいいと感じた」と話し、ヒントをつかんだようだった。

 東日本のSPは、3回転フリップのノット・クリア・エッジの減点だけにとどめ70.71点。樋口は「自分の演技は最低限できた。あとは細かいところでGOE(出来栄え点)のプラスが取れるように仕上げていきたい」と述べていた。トリプルアクセル以外のジャンプのミスをなくすのが第一条件だが、210点を超えて220点に近づけられるかが、NHK杯の樋口の課題になる。

 樋口と同じく、ユ・ヨンに迫る力を持っているのは坂本花織だ。昨季最終戦の四大陸選手権で挑戦した4回転トーループは封印して、今季はプログラムの完成度と表現力の向上をテーマにしている。西日本選手権はフリー後半にミスを連発して200.23点にとどまったが、その前のシーズン初戦となった近畿選手権ではフリー143.47点を出して合計218.35点で優勝している。

 プログラムについては、フリーは昨季から持ち越しの『マトリックス』で安定感を高めている。またSPは新プログラム『バッハ・ア・ラ・ジャズ』。4シーズン目になるブノワ・リショー氏の振り付けにも慣れたのか、前の2試合ともノーミスで、近畿選手権は74.88点を出した。自己ベストの223.65点越えも視野に入れている。

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