2020.11.11

鍵山優真、涙が溢れた父からの言葉。東日本選手権で悔しい2位

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

SPを滑る鍵山。練習どおりにいかない悔しい結果となったSPを滑る鍵山。練習どおりにいかない悔しい結果となった  SPからの挽回をかけて臨んだ翌日のフリーは、約1カ月前に使用曲を変えたばかりという不安要素があった。シーズンイン直前に予定していた曲が使えなくなったために『ロード・オブ・ザ・リング』に変えたが、関東選手権を終えて再度『アバター』に変更した。振り付けは前の2曲を担当した佐藤操(みさお)コーチではなく、SPと同じローリー・ニコル氏。

「このタイミングで変えるのは挑戦ですが、ローリーさんの振り付けでやるのが来シーズンの北京五輪へ向けていい経験になると思った」

 鍵山はそう説明したが、練習できた期間は1カ月弱と、準備不足は明確だった。

 最初の4回転サルコウは空中で少し軸が動くジャンプになりながらも、しっかり降りて3回転トーループを付ける連続ジャンプとした。SPでは失敗した4回転トーループは3.24点の加点をもらうきれいなジャンプにし、気持ちも乗ったかに見えた。

 しかし、前半4本目のジャンプとなる4回転サルコウで転倒。以前のプログラムで後半に入れていたジャンプだった。鍵山は転倒について「2本目のサルコウは転ぶことも想定していた。練習ではそこで転倒しても、後半の立て直しができていた」と話し、それほど不安になるものではなかったようだが、スピンの後のコレオシークエンスでも想定外の転倒をし、リズムを崩してしまった。

「コレオ(シークエンス)の転倒はエッジが引っ掛かったものですが、このプログラムのコレオはエッジワークがすごく深くて、ターンもかなり難しいのでまだ練習不足だと思います。ひどいコケ方で尻を打ってしまったので......。その次はトリプルアクセルからの3連続ジャンプが入っていたので、どうしようかと焦ってしまいました」