樋口新葉、トリプルアクセル失敗も焦りはなし。ジャンプ以外も進化中 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

フリーでもトップの得点で優勝した樋口フリーでもトップの得点で優勝した樋口 練習に集中できているという樋口のトリプルアクセルは安定してきた。フリー前日、樋口は「一日に2〜3本は降りられていて、試合では必ず降りるという気持ち」と述べた。当日の6分間練習でトリプルアクセルを一度成功させたが、本番はしっかり回り切りながらも着氷でステップアウトになる惜しいジャンプとなった。「(10月の)ジャパンオープンの時は練習でも降りられていなかったので不安はあったが、今回は以前より安心して試合に臨めて、ステップアウトになっても落ち込むことはありませんでした」と話した。

 しかし、次の3回転ルッツは少し力が入り過ぎたジャンプになって着氷を乱し、3回転トーループを付け損ねた。「最初(のジャンプ)で失敗しても、その他のジャンプはしっかり跳べるようにしたい」と以前から話していた気持ちが力みにつながったのか。

 その後の3回転サルコウはきれいに決めてコンビネーションスピンもレベル4と勢いを取り戻したかに見えたが、3回転ループが2回転になるミスが出た。

「2本目の3回転ルッツ+3回転トーループを跳べなかったのはあまりないミスだったので、滑りながら3回転トーループをループに付けようか、サルコウに付けるか、最後に付けるかを考えて迷っていた」

 それでも、後半の3本のジャンプをすべて連続ジャンプにすると決めた樋口は、しっかりとリカバリーを果たした。昨シーズンと少し内容を変えたコレオシークエンスで気持ちを立て直すと、ダブルアクセル+3回転トーループの後に2回転トーループを付けて3連続ジャンプにした。また、2回転を2本つける3連続ジャンプとする予定だった3回転フリップに3回転トーループを付け、さらに最後の3回転ルッツの2回転トーループを足す構成にした。

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