2020.10.13

永井優香、現役ラストシーズンの思い。「1度ぐらい母の好きな曲で」

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 藤田孝夫●写真 photo by Fujita Takao

 翌日のフリーでは、これもまた思い入れのある『エデンの東』に乗って優雅に舞った。冒頭の3回転ルッツを跳び、基礎点が1.1倍となる後半にはダブルアクセル(2回転半ジャンプ)+3回転トーループの連続ジャンプを成功。単発のダブルアクセルが1回転となるミスもあったが、「何とか耐えました。今日の収穫は、やればできることがわかったことです」と、振り返った。

フリーでも1位となり、東京選手権で完全優勝を飾った永井優香フリーでも1位となり、東京選手権で完全優勝を飾った永井優香 『エデンの東』は、ジュニア最後の2014-15シーズン、永井自身が「一番よかったシーズンのプログラム」。そのシーズンはジュニアGP2大会で連続2位となり、ジュニアGPファイナルにも出場。全日本ジュニア選手権は3位、全日本選手権では4位に食い込んでみせ、四大陸選手権と世界ジュニア選手権に初出場を決めた。

「この曲に対してすごくいいイメージがあります。スケート人生を振り返ると、この曲をSPで使ったときに飛躍できたと思ったので、もう1回、『エデンの東』で気持ちよく滑りたいと思いました」

 2015-16シーズンにシニアに転向し、15年のスケートカナダではGP初挑戦でいきなりの表彰台に乗る3位と躍進したが、その後は体の成長とともに、ジャンプにキレがなくなり、なかなか思い描いたように跳ぶことができなくなった。成績も伸び悩むようになり、苦しい時期が長かったはずだ。

「シニアではすごくいろいろ変わったなと思います。あの頃はあの頃なりにスケートに悩むこともいろいろあったのですが、いろいろな経験をして、いまはもうちょっと重みのある経験してきた気持ちで滑っています。だから、『エデンの東』の曲で最後まで滑り切って、次に向けていいスタートを切りたいと思っています」

 東日本選手権、そして全日本選手権で有終の美を飾る。最後のシーズンに向けてやる気は満々だ。

「大きなケガもなく14年くらい頑張ってきた自分に対して『お疲れ様でした』という気持ちです。大切な人に出会ったり、うれしいことも辛いこともたくさん経験できました。いままでたくさん応援してもらってきたので、その人たちに『ありがとう』という気持ちで滑っていきたいです」

 残り少ない試合でスケート人生の集大成をしっかりと見せて、晴れやかな気持ちでリンクを離れてほしいものだ。

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