本田望結、二刀流の挑戦は続く。取材対応で見せたアスリートとしての顔 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田孝夫●写真 photo by Fujita Takao

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 再びリンクに入った時、その顔は明るく輝いていた。「独自の世界がある」とは本田武史コーチの言葉だが、それは表現者としての女優の要素も多分に含んでいるだろう。一瞬で引き込まれるような華やかさを放つのだ。

 会場に「My dilemma(マイ・ジレンマ)」が鳴る。好きになった人を忘れたいが、忘れられない、そのジレンマを歌った曲だが、にぎやかなアップテンポで、本田はその音に上半身を揺らした。世界観に入って、冒頭の3回転サルコウ+2回転トーループを成功している。

「(試合では)悲しい曲、静かな曲を(多く)やってきたんですが、お客さんと一緒に楽しめる曲の方が、私には合っているのかな、と思うようになりました。アイスショーのような感じというか。まだ、ジャンプ、ステップに集中して滑っている(段階な)ので、(音に)自然に体がついてくるようなるまで、練習で仕上げていきたいです」

 本田は明るい声を出した。

 その後、ループは2回転になって得点にならず、ダブルアクセルも着氷が乱れた。しかしスピンはレベル4を取って、最後まで滑り切った。43.91点で12位。技術要素点は苦しんだが、演技構成点は7番目に高い得点だった。

「2本目のジャンプのミスを引きずらず、最後まで諦めずに滑れたのはよかったです。公式の6分間練習ではノーミスだったので、悔しいですけど。まずは東京選手権を通過し、東日本選手権に進めるように。通過します、とは言えないですけど、その意気込みで。明日も落ち着いて楽しみながら」

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