2020.10.05

樋口新葉、トリプルアクセル着氷。日本女子の競争がヒートアップ!

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 そうした中、シニア1年目のロシア勢が高得点を出して旋風を巻き起こした。しかし樋口自身は、「彼女たちが強いのは知っていたので、焦ることなく、まずは自分のレベルを上げていこうと考えていた」と冷静だった。そんな樋口が見据えたレベルアップの第一歩がフリーでトリプルアクセルを跳び、SPと共にノーミスの演技をそろえることだ。

 今季、日本女子を牽引しながらロシア勢に挑む紀平梨花は拠点をスイスに移し、まだ試合に出場していない。坂本花織は近畿選手権に出場し、SPは新プログラムをノーミスで滑り、74.88点を獲得。フリーはわずかなミスはあったが、合計218.35点で優勝している。今季の坂本は4回転トーループ挑戦をやめ、プログラムの完成度を上げて合計230点台を安定して出すことを目標にして練習に取り組んでいる。

 2シーズン、ケガで苦しんだ樋口はまずトリプルアクセルを完成させ、目指すレベルへ到達することが第一段階での目標になるだろう。

 紀平、坂本、樋口に追随していく選手のひとりが、今季からシニア入りした河辺愛菜だろう。近畿選手権では、SP、フリー共にトリプルアクセルに挑み、失敗はしたが188.48点で2位。SPでは、連続ジャンプの基礎点が1.1倍になる後半にトリプルアクセルを入れており、これが成功すれば、大きくステップアップする可能性がある。

 そうした日本女子の状況で、樋口が一歩抜け出して紀平に迫るためには、トリプルアクセルを安定させ、次の目標でもあるSPでの導入へと進むことが必要だろう。

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