本田紗来、ジュニアデビュー。涙を堪えて13歳はスケートと向き合う (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

 10月2日、大阪府立臨海スポーツセンター。近畿選手権で本田は、ジュニアデビューとなるショートプログラム(SP)のリンクに立った。その結果は、苦みを伴っていた。 

10月2日、SPで演技する本田紗来10月2日、SPで演技する本田紗来 スコアは伸びず、37.03点で16位。冒頭のルッツでパンクし、3回転フリップ+2回転トーループは成功したものの、ダブルアクセルは着氷で詰まって減点されていた。練習でもジャンプが思うように決まらず、滑る前から表情は強張っていたが、全体的に硬さが抜けなかった。

「インタビューに答える状況ではない」

 ショート後は、関係者が気遣うほどの落ち込みようだった。インタビューを断ったというよりも、13歳に対する配慮だったのだろう。

 そして10月3日に行なわれたフリーも、本田は苦戦を強いられた。

 冒頭の3回転ルッツで、転倒することになった。難易度の高いルッツは、前日のショートでも失敗していた。ダブルアクセル、3回転ループは降りたが、3回転フリップは軸が乱れてしまう。2回転ルッツ+2回転トーループ、3回転フリップ+2回転トーループのコンビネーションジャンプは見事に成功したものの、最後のサルコウは回転できずに転倒した。

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