羽生結弦を追う次世代エース。鍵山優真、佐藤駿が勢力図を変えていく (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 高橋学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 切磋琢磨する2人の、見ていて微笑ましくなる練習だった。

「今回の合宿では、新しいプログラムのレベルチェックをしてもらい、もっといいものに近づけられれば」と話す鍵山。外出自粛期間中は約1カ月半、氷上に上がれなかったが、陸上トレーニングでジャンプに重要な腹筋などの体幹や脚の筋力を強化し、瞬発力を高める縄跳びにも取り組んだという。オンラインで取材に応じた鍵山は、当時から現在までをこう振り返る。

「モチベーションを維持するために昨シーズンの動画を見て、『ここはこうできる』などと改善点を考えていました。(緊急事態宣言解除後に)氷上に上がって、ほぼ元どおりに練習できるようになり、だんだん調子はよくなってきています」

 鍵山のシニア初シーズンのプログラムは、SP、フリー共にこれまでと同じ佐藤操(みさお)氏の振り付け。SPの曲は『テイク・ファイブ』で、フリーは映画『もののけ姫』のサウンドトラックだ。鍵山は意気込む。

「テイク・ファイブは少し大人っぽい曲なので、佐藤先生からは『もうちょっと大人になってからでいいんじゃない?』と言われましたが、やりたかったんです。フリーはずっと使いたいと思っていた、好きな久石譲さんの曲。力強さがある曲なので、そういう表情や表現をうまく使いたいです」

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