鍵山優真と佐藤駿。同学年の2人の競り合いは来季シニアの舞台へ (5ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 一方、フリーと合計でジュニア世界最高得点の記録保持者の佐藤は、SPで5位と出遅れた。そして、ただひとりルッツとトーループの4回転を計3本挑んだフリーでは、その大技ジャンプでミスを連発して総合6位に沈み、悔し涙を流した。フリーの演技後は、「最初にミスがあったんですけど、プログラム後半はしっかりとできたので、そこは成長できたかなと思っています」と振り返った。

 今季を戦い抜いて確かな成長につなげた鍵山と佐藤は、2022年北京冬季五輪を視野に入れ、来季はシニアに転向することが決まっている。

 豊かな表現力とジャンプやスピンなどのエレメンツの美しさを持つ鍵山と、ルッツを含めた4種類の4回転ジャンプを習得してトリプルアクセルを武器にする佐藤。いまのところ、両者に実力差はほとんどないと言っていいだろう。今オフは、4回転の種類を増やすとともに、完成度を高めて武器にできるまでにしなければならないし、シニア勢に肉薄できるような表現力も身につけなければならない。

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