鍵山優真と佐藤駿。同学年の
2人の競り合いは来季シニアの舞台へ

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 これに対して佐藤はSPを3位で発進。フリーでは果敢に習得中の4回転ルッツに挑むが失敗し、ほかのジャンプの着氷も乱れて得点を伸ばせず、総合2位となった。自信をつけた鍵山に対し、佐藤はこの悔しさを糧にする覚悟を持ったようだ。

 続く12月のジュニアGPファイナルでは、佐藤が気を吐く演技を披露した。SPは3位発進ながら、フリーでは冒頭の4回転ルッツを試合で初めて成功させる。これで波に乗ると、4回転トーループとトリプルアクセルをそれぞれ2本ずつ決めて、ジュニア歴代1位となる177.86点をマーク。合計でもジュニア歴代最高得点となる255.11点で初優勝を成し遂げ、日本人4人目のジュニアGPファイナル王者となった。

 一方、全日本ジュニア王者として優勝を目指した鍵山は、気負いが空回りしたようだ。SPでは課題のトリプルアクセルが不調で6位と出遅れ、フリーでも得点源の4回転トーループの単独ジャンプで転倒するミスを出して、合計227.09点の総合4位にとどまった。

 ここまでの直接対決は1勝1敗の五分。よきライバルとして刺激し合う鍵山と佐藤は、今季3戦目の全日本選手権で対照的な結果を残した。

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