2020.01.05

鍵山優真と佐藤駿。日本フィギュア界
新星の「ライバル物語」

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 全日本ジュニア王者として優勝を目指して戦った鍵山は、気負いが空回りしたのか、SPでトリプルアクセルを失敗して6位と出遅れた。フリーでは冒頭のトーループの4回転+2回転連続ジャンプを成功させたが、4回転トーループの単独ジャンプで転倒。それでも、そのほかのジャンプを決めて演技をまとめて3位に浮上し、合計227.09点の総合4位と、表彰台まであと一歩だった。「これまでで一番悔しい試合になりました。全日本選手権ではトップで戦える自信がついているので、表彰台を狙っていけるように、難易度の高い構成で試合に挑めるように練習していく」と、挽回を期した。
 
 その全日本選手権。鍵山はSP『ピアノ協奏曲「宿命」第一楽章』でいきなりつまずく。SPで初めて4回転トーループを成功させるが、冒頭のトリプルアクセルが不発に終わって0点となって77.41点の7位と出遅れた。しかし、自分らしい踊りを発揮できるフリー『タッカー』では、トーループの4回転+2回転連続ジャンプと4回転トーループを鮮やかに決めたほか、今季苦手意識を持っていたトリプルアクセルを2本とも2点以上のGOE加点がつく出来ばえで成功させた。

 得点源のジャンプを次々と決めて、ほぼ完璧な演技を見せると、180.58点の高得点をマークしてフリー2位に。ISU非公認ながら、ライバル佐藤がジュニアGPファイナルで出したジュニア世界最高得点を上回る合計257.99点で、総合3位となった。全日本選手権で高校1年生が表彰台に立つのは、1996年1月の第64回大会で初優勝した本田武史以来の快挙。ジュニア勢としては、2014年の第83回大会で2位になった宇野昌磨以来の好結果を残した。

 表彰台で初々しくはにかんでいた鍵山は、全日本選手権を振り返ってこう語る。

「全日本という日本一を争う舞台で3位になれたことはとてもうれしく思います。構成を変えて難易度を上げて挑んで、ほぼノーミスに近い演技ができたことがとてもよかったと思います。心残りの点は、SPでトリプルアクセルにミスが出てしまったこと。表彰台はとてもいい眺めでしたし、これからはてっぺんに上って最高の景色が見たいと思っています。