宇野昌磨はあえて自らマイクを請い、
羽生結弦について語り始めた

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

「羽生選手がいない中で全日本選手権に3度優勝したんですけど、僕も、正直日本の誰も、僕が日本一に3度なったことは気づいていなくて、日本のスケートのレベルが高い中で優勝できたことは本当にうれしいことではあるんですけど、やはり僕の中でも、日本中のみなさんにも、『日本で一番うまいのはゆづくんだ』というのがあると思います。

 自分のスケート人生の目標として、一番はオリンピックだと皆さんは思っているかと思うんですけど、僕はそれ以上に、羽生選手にいつか同じ立場で戦って勝ってみたいという目標があった。それだけ僕にとって(羽生は)大きな特別な存在で、今回の結果は、偶然のところがたくさんあると思いますけど、今シーズン調子が悪かった中で、スケートを辞めずにやってこられて、いい結果を出せて本当にうれしかったです」

 羽生という「大きな特別な存在」に日本中が注目した全日本選手権で勝てたこの結果は、今後の宇野にとって大きな自信となるに違いない。新たな環境で飛躍の鍵を手に入れた宇野はどんな扉を開くのか。シーズン後半戦の戦いが楽しみだ。

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