紀平梨花に逆転のチャンスはあるか。調整失敗が響きまさかの6位発進 (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

「濱田(美栄)先生からもフリーで4回転(サルコウ)を跳ぶなら、SPは今までどおりの構成にしたほうがいいんじゃないという声をかけてもらっていたので、(6日の)朝の練習前に決めました」

 時差ぼけ解消も不十分なまま試合当日を迎えたことで、体の動きは本来とは違って鈍かった。疲労など、自分の体調を把握できないまま、無理に体を動かしてしまったことが試合本番になって裏目に出た格好だ。

 SP首位のアリョーナ・コストルナヤとは14.74点差、2位のアリーナ・ザギトワとは8.89点差、3位のアンナ・シェルバコワとも7.56点差がついている。大会連覇の可能性はかなり低くなったが、表彰台の一角に立てる可能性はまだ残っている。フリーで武器とするトリプルアクセル2本を完璧に跳んだうえ、日本の女子としてシニア大会で初めて4回転サルコウを成功させることができれば、差をつめることは可能だ。

 7日のフリーは「しっかり切り替えて臨む」と気を引き締めていた紀平。「明日(7日)の朝の練習の調子により、4回転サルコウを入れるか入れないかを決めたいです。何とか巻き返したいなと思っています」と気合を入れ直した。

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