GPファイナル直前現地レポート。羽生結弦のコンディションは? (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 この大会に出場するにあたり、「一番重要」と話していたコンディショニングに関しては、自分で「どうかな」と思うような1週間ではあったが、かなりあった「NHK杯の疲れの回復に努められたのはよかったのではないか」と言う。

「疲れが取れてきて、ちょうどいい感じになってきているのではないかと、今は感じている」「今はとくに追い込むべき時でもない」と思うことで、精神的な焦りは生まれてこなかった。

「どちらかというと、今回は回復に専念して、締めるところだけ締めたという感じです。NHK杯で歴代世界最高得点を出したあとのファイナルの時は、どちらかというと体力がなくて、無理やりやって何とか降りていたという感じでしたけど、今回は無理やりではなく、割とコントロールしていろいろつかめている感じなので。あとは、試合までの間にどういう風に調整していくのか。コントロールだけではなくて、調整していくというのをしっかり頭に入れたいなと思います」

 4回転ルッツをきれいに決めたとはいえ、まだ「フリーで使うかどうかは決めていない」とも言う。それはあくまでも、エッジ系のジャンプが厳しいと思った時のオプションのひとつなのだろう。

「当日の氷の感覚もあるけど、あとはショートをやっての体力の状態とかを見て(判断する)。体の感覚は絶対に変わっていくので、それ次第だと思います」

 対応可能なオプションとして4回転ルッツを持っていることも、この日の落ち着いた表情のひとつの要因なのだろう。ネイサン・チェン(アメリカ)との一騎打ちへ向けて、羽生の準備は心身ともに整っているようだ。

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